014.ついに廃車、スプリンター。(2001/1/9)

トヨタ「スプリンター」


 いつも鉄道の話ばかりしているが、実は、車にも乗っていたりする(別に「実は」ってほどでもないが)。この車に乗ったことのある人はともかく、そーでない人にはどーでもいい話なんで、まぁ・・・そんな感じ(^^;


 私の元愛車はトヨタの「スプリンター」。しかも86年式。もう15年近いつきあいだったが、2000年12月末、ついに廃車となった。15年といえば私の人生の半分に相当する長い時間を共に過ごした相棒中の相棒である。なかなか感慨深いものである。思えば15年前、この車に初めて乗ったとき・・・??・・・そこのあなた、勘違いしてない?15年前から「運転している」のではないですぞ!15年前はまだピチピチの中学生ぢゃ!親父が購入・・・その後、親父が新車に買い換えたときにお古として私の車となった。私が運転したのは実質7年である。


 この15年間、特に事故もなく、NT−3家の足として活躍してくれたが、なかなかクセも多かったのでここに書き留めておこう。


 みなさん、車のエンジンのかけ方を知っていますか?・・・「バカにすんな!」と言われそうですが、たぶん、あなたの知識ではこの車のエンジンはかけられません。なにせ、キーを差し込んで回してみても絶対にかかりませんから・・・。ここでマニュアル車通の人なら、「最近のマニュアル車はクラッチを踏みながらでないとエンジンはかからんのよん、フヘヘン」と宣われるでしょうが、15年も前の車にそんな高尚な機能がついているはずはなかろう。しかし、クラッチを踏みながらというのはいい線いっていて、クラッチを踏んだままキーを回し、セルモーター回しながらアクセルにいっぱいまで連続で蹴りを入れること7〜8回・・・ようやくにぶい音をたててエンジン様がおかかりになるのでした。普通の人なら絶対に壊れていると思うでしょう・・・、いや、盗難防止に役立っていいかもしれない(よくねーよ)。

 クラッチの話が出たついでだけど、クラッチのつなぎにほとんど余裕がなく、ちょっと油断しただけですぐにエンストしてしまう。もうホント、「これでもか!」というほどエンストする。運転し始めた最初の頃なんて、信号待ちのたびにエンストして、しかもエンジンもそう簡単にはかかってくれないため、何度後ろの車に怒鳴られたことか・・・。最悪なのが右折時、交差点の真ん中でエンストした回数は・・・いや、過去の思い出にしておこう。
 そんなものでも慣れというのは恐ろしいもので、しばらくするとコツがわかってきて、エンストもしないしエンジンも素早く(あくまで当社比)かけることが出来る技を身につけることが出来た。同乗したことがある人は、別に何の苦労もなく運転しているように見えたかもしれないが、その裏にはとてつもない努力があったことをわかって・・・いや、わからんでよろしい。


 次に特筆すべき点は、パワステがついていないことである。「は?」と言われそうであるが、この時代にはパワステがついていない車というのが実在したらしい。自動車学校でパワステを勉強し、教習車でもそれを実感していた身において、パワステがないという衝撃を想像できようか?しかも、上記のような状態に加えてだ。教習中も「車庫入れ」は得意ではなかったぐらいなので、こんな状況での車庫入れはまさに格闘以外の何者でもない。なにせ、タイヤの重みがダイレクトにハンドルにかかるのである。これでは閘門のバルブを回すのと同じだ(それは言い過ぎ)。でも、そのおかげで車庫入れはウマくなったわい。命かかってたからなぁ。


 とはいえ、こんな綱渡りの中、そこそこ乗り回し、萌鉄の取材に何度も乗っていったが(萌鉄両作の中にもこの車が写っている写真が何枚かあります・・・探してみよう!)、特に止まって動かなくなったという話も・・・2回しかなく(あるのか!)・・・いや、2回といっても1回は車庫の中で動かなくなっていたのと、もう1回は親父が運転中に信号待ちの状態で止まった(最も最悪なパターン)だけなんで・・・って、いや、うーむ。


 と、書き出したらキリがないのだが、とりあえず、もう「どんな車が来ても驚かんゾ!」という強い精神力を手に入れることが出来た・・・感謝。

 で、今は、またもや親父が新車を買って、そのお古が下がって来たパターン。こんどはスプリンターの「カリブ」が私の元にやってきた。とはいえ、こいつとももう7年のつき合いである。ちなみに、その新車の下取りとして旧スプリンターは引き取られ、査定額が3000円であったことを付け加えておこう(笑)。

 それにしても、技術の進歩はすばらしい。なにせ、アクセル連打しなくてもエンジンかかるし、パワステがついていて車庫入れも楽チンなのだ。そのため、いつもより余計に曲がりすぎてしまうほどぢゃわい(ばはは〜)。あと、ボタンを押すだけで窓が開くし、運転席のカギを閉めただけで全てのドアがロックされるのだ。そうそう、あと、数秒おきにワイパーが動作する「間欠ワイパー」なる新技術も搭載されておった。それで驚くのはまだ早い・・・なんと、車内からドアミラーの方向を調節出来るのであるるぅぅぅ。こいつぁすげぇぜ〜。

 ・・・全然スゴくねーよ。しかし、旧スプリンターには無かった機能であることには間違いない。 


 とはいえ、そんなけったいな車に慣れきった体では、普通の車を運転するのが難しかったりする。クラッチのつながりが良すぎて(注:それでもマニュアル車)、前の感覚でつなぐとガクガクしてしまったり、ハンドルが軽いのでつい急ハンドルしがちになってしまったり、ブレーキの効きがいいので思った地点よりも手前で止まってしまったり・・・と、なかなかウマくいかんもんである。
 まぁ、初心に帰って特訓ぢゃ・・・な。


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