台風18号被災による部分廃止議論
2009年10月8日
台風18号による全線運休
2009年10月12日
全線でバス代行開始
2009年10月15日
松阪〜家城間で運転再開
JR東海が、家城〜伊勢奥津間は当面の間、バス代行を継続すると発表。
2009年10月29日
JR東海が、家城〜伊勢奥津間の復旧は困難であり、同区間のバス転換を地元自治体等へ提案すると発表。
2009年10月30日
沿線の美杉町の自治会長らが津市のJR東海三重支店を訪れ、全線運行を求める要望書を提出した。
金銭的援助をするかどうかは「協議の上、考えていく」。
2009年11月2日
津市が美杉総合開発センターで地元住民への説明会を開催。地元住民からは復旧、存続を望む声が多数、津市長はJRや国に要望書を出していくと。
津市長が県知事に全線復旧と存続支援を求る要望書を提出。
2009年11月11日
三重県議会議長と津市選出県議4人が家城−伊勢奥津間の被害状況を視察。
議長は砂防事業をしっかり進めることが必要と。
2009年11月13日
津市自治会連合会が全線復旧を求める署名活動を12月1日〜15日まで行うと発表。
国土交通相とJR東海社長に提出する予定とのこと。
2009年11月18日
JR東海社長が記者会見で、名松線の被災区間については「バスの方が安全」という見解を改めて語った。
2009年11月24日
津市議が被災現場を視察。
2009年12月1日〜15日
早期復旧のための署名運動実施。
四十人分の署名が書ける用紙約一万一千枚を用意し、津市全域の九百九十四の町自治会より回覧方式で実施。
2009年12月7日
津市議会で松田市長は、「治山治水は不可欠。山林を含めた周辺部の線路への影響がどの程度あるのか、どこをどのようにすればいいか確認し、経費、作業工程、誰の責務かを検討する必要がある。県が確認しつつあり、県と連携を取りながらJRの調査結果を検証していく」と述べた(伊勢新聞)。
2009年12月19日
JR東海が美杉町で住民説明会を実施。「復旧しても安定輸送できない」として、廃止に理解を求めた。
住民からは反対意見が相次いだ。
2009年12月25日
津市が調査を依頼した三重大学教授が「復旧可能」と調査結果を発表。排水路の整備不十分が被害を大きくした可能性を指摘。
津市長は復旧費負担について「負担することを考えなければならないと思う」と発言。(毎日新聞)
2010年1月18日
三重県知事が、「県としても被災状況を現地確認した。JR東海は被災状況について相当深刻と言ってきたが、県の調査では山腹の大規模な崩壊が起こっているかは確認できなかった」と述べる。津市の要望に対して協力したいとのこと(毎日新聞)。
2010年1月23日
地元自治会によると、署名運動で津市人口の3分の1を超える11万6268人分の署名が集まったとのこと。
2010年1月26日
自治会と市議員が署名と要請書を中部運輸局とJR東海へ提出。
運輸局は国土交通相に上げる、JR東海はバス輸送が現実的と回答。
2010年2月17日
県はJR東海に対し、鉄道輸送復旧、市や県と協議を進めること、地域住民と充分に話し合うことを求めた。県は復旧に新たな治山事業は必要ないと主張し、JR東海はバス輸送が現実的で、元通りにするだけでは安全運行できないとの主張を繰り返した。
2010年3月17日
自治会と名松線の全線復旧を求める会は、早期復旧を求める要望書を市へ提出。
市長は「どういう理由で復旧できないのかをJR側に提示してもらった上で、県と市がどのような支援をできるのか協議を進めていきたい」と。(毎日新聞)
2010年3月26日
自治会と名松線の全線復旧を求める会は、早期復旧を求める要望を県へ。
副知事は「県とJRでは治山対策の必要性への認識が違うが、早急に協議をスタートさせて考えを合わせていきたい」と。(毎日新聞)
2010年5月11日
三重県の『平成23年度国の予算編成等に関する提言』に、名松線復旧に関する項目「県民の暮らしを守るJR名松線の復旧について」が含まれている。
2010年6月14日
県は、4月20日にJR東海と協議した際、JR東海より「不通区間にある山の沢や斜面の工事が必要。工事は自治体が実施するべきだ」と伝えられたと発表。JR東海によると、40ヶ所で排水路の整備や谷止め工事が必要とのこと。(中日新聞)
2010年9月27日
県知事が津市とともに必要な治山事業を実施することでJR東海側に全線復旧を求めていく考え明らかにした。(毎日新聞)
2010年11月10日
県は、民主党県連の地域戦略局に46項目の提言書を提出した。項目には「台風で被害を受けたJR名松線の復旧工事の実施」が盛り込まれている(毎日新聞)。
2010年11月24日
JR東海社長が会見で、「自治体の治山治水工事と維持管理の条件が整えば復旧する」と述べた。
2010年12月2日
県知事が、復旧に向けた治山工事の予算を来年度の予算に計上する方針を語った。
2010年12月4日、5日
名松線にSLを走らせる会主催の全線開通75周年記念イベントが白山会場(伊勢川口駅近くのホテルアザリア)と美杉会場(伊勢奥津駅近くのかわせみ庵)で開催された。
2010年12月8日
津市長は市議会定例会で、復旧に向けた治山治水対策のうち、市が実施する排水路の治水対策工事を、2015年度までに完了させる計画を明らかにした。事業費は5億円(読売新聞)。
復旧は2016年か。
2010年12月10日
県は、県議会政策総務常任委員会で治山対策費は概算で約5億円と。市と合わせて整備費は10億円(読売新聞)。
2010年12月11日
名松線の全線復旧を求める会主催の全線開通75周年記念事業が伊勢奥津駅で開催された。
2011年2月8日
県は23年度当初予算案を発表。名松線の治山予防工事は約1億9千万円を予算化。
2011年3月25日
津市は、平成23年度の人事異動を発表。都市計画部内に「名松線復旧推進担当」を設置。参事以下職員5人が、復旧工事に伴う水路調査や、地元やJR、県などとの調整を図る。
2011年5月19日
県、津市、JR東海が、全面復旧させるとする協定を5月20日に締結すると発表。
2011年5月20日
県、津市、JR東海が、全面復旧させるとする協定を締結した。
県が治山工事、市が治水工事、JR東海が鉄道施設工事を担当する。
2011年6月2日
「名松線を守る会」が、津市長と意見交換。
2012年2月20日
津市は、2012年度予算で名松線復旧事業に1億4970万円を計上。
2012年7月16日
津市主催で「公共交通と地域を考えるつどいin美杉」が伊勢八知駅の美杉総合開発センターで行われた。
特別講演「こうすれば、名松線は、バスは、おでかけは、美杉は、守られる!」他。
2013年3月27日
津市は平成25年度の人事異動を発表し、名松線復旧事業に対応するため都市計画部に名松線復旧推進室(4人)を設置する。
2013年5月15日
JR東海が社長会見にて、平成25年5月30日に家城〜伊勢奥津間の復旧工事に着手すると発表しました。
三重県・津市の治山事業・水路整備事業の完了と同時期に復旧工事を完了予定で、運行再開時期は平成27年度内とのこと。
JR東海の費用負担は4.7億円。3者合計で復旧費用は14.7億円ということになります。
2013年5月30日
JR東海が復旧工事に着手。
2013年6月30日
名松線を元気にする会が、津市市民活動推進事業の公開審査「市民セレクション」で、審査員評価点が24団体中2位を獲得。
2013年7月30日
津市主催で、「JR名松線の利活用を考えるオープンディスカッション乗った?乗りたい?乗ってみよう!名松線」が八幡地域住民センター(伊勢奥津駅)で行われた。
愛知工業大学の伊豆原教授をコーディネーターとして全3回開催。
第2回は9月28日一志農村環境改善センター
第3回は11月30日松阪市産業振興センター
2013年9月22日
名松線を元気にする会主催で『伊勢本街道奥津宿の陣』が伊勢奥津駅で行われた。
2014年9月21日
名松線を元気にする会主催で『鉄道まつりin美杉』が伊勢奥津駅で行われた。
来場者数800名。
2014年10月26日
名松線を元気にする会主催で『伊勢本街道奥津宿の陣』が伊勢奥津駅で行われた。
来場者数1,200名。
2015年12月18日
JR東海が平成28年3月ダイヤ改正を発表し、2016年3月26日より家城〜伊勢奥津間を運行再開すると発表した。
2016年2月5日
JR東海による家城〜伊勢奥津間の復旧工事が完了。
2016年2月16日
キヤ95入線。家城〜伊勢奥津間に6年半ぶり列車が走る。
2016年2月17日
家城〜伊勢奥津間で同日より1日5往復の訓練運転を開始。
家城発 9:53 / 12:27 / 14:07 / 16:01 / 18:09
2016年3月26日
伊勢奥津始発から2本、松阪始発からの接続は代行バスで運転。特に後者は7台編成で運転。
そして、伊勢奥津9:35発の一番列車が発車して名松線全線復旧!!!
今後の展開
一貫して復旧を否定していたJR東海が2010年11月24日の会見で初めて復旧について言及。
JRの要求どおり自治体が整備すれば復旧が実現する可能性が高くなってきました。
県と市から合わせて10億円の整備費が出されます。仮に復旧しなかったとしてもある程度の治山治水工事は必要と見られることから、この10億円全てが名松線の復旧費用というわけではないと思われますが、JR東海が出す線路修復費用も合わせると復旧に巨額の費用がかけられることに違いありません。
一方で、復旧問題とは別に、乗客数が減っている問題は残り、乗客増の施策が必要になります。「乗って残そう名松線」のスローガンのとおり、みんなで乗ることは必要ですが、それだけで採算ラインまで持って行くのは非常に困難と思われます。観光路線への脱皮は必須であり、過疎化が進む美杉地区や白山地区が一体となり、沿線の観光地化を進めていかなければなりません。
これまでも同様のことは語られていましたが下火になっていました。今回の名松線災害がきっかけになり、沿線が一致団結して取り組まなければなりません。