萌鉄2000 パート5
「森と湖と天竜浜名湖鉄道」

天竜浜名湖鉄道


 夏の青春18きっぷ消却企画。(名古屋から)1日でのんびり行って帰ってこられる路線といえば・・・、今回は天竜浜名湖鉄道(以下、天浜線)へ行ってみよう。天浜線はずっと昔に東京方面へ行くときに貫通したことはあるが、じっくり乗ったこと(途中の駅で降りたこと)はない。


 まずは名古屋駅から、新鋭313系で出発。うーん、快適だね。特別快速で大府までもが通過。武豊線もキハ75形で統一となり、大府までわざわざキハ58に乗って乗り換えたことも過去の思い出となってしまった。
 特別快速は豊橋までで、その後は普通しかなくなるのだが、いつも豊橋での乗り換えは混むので、初めから当たりを付けて岡崎で普通に乗り換える。特別快速で豊橋まで行っても結局この列車に乗ることになる。車両はBOXシート仕様の211系4両編成。あいかわらず短い編成である。それでも席が全部うまり、ぱらぱと立っている人がいる程度。とりあえず妥当といえる。


 そして豊橋到着。やはり予想したとおり、すごい人である。4両編成ではすし詰め満員電車である。しかも乗り切れない人が続発。まさに、JR東海名物「短い編成にすし詰め」・・・いいかげん、なんとかならんのだろうか。6両あればまだマシなのに・・・。

 すし詰めのまま豊橋から2区間、新所原(しんじょはら)で降りる。ここは天浜線との乗り換え駅である。


 天浜線こと天竜浜名湖鉄道(てんりゅうはまなこてつどう)。国鉄二俣線(ふたまたせん)を転換した第三セクター鉄道で、東海道線の迂回線として建設された路線。国鉄時代は豊橋から直通列車が走り、現在でも豊橋駅に使われていない旧二俣線用のホームが残っている。

新所原駅

 新所原は駅舎がJRとは別になっているが、中間改札口があってJRから直接乗り換えられる。
 今の時期、天浜線でも全線乗り降り自由のフリーきっぷが発売されている。1800円。今回はそれを買って乗りまくりである。
 あと、主要有人駅には昔ながらの硬券の各種切符が健在である。記念に入場券を購入(160円)。
 フリーきっぷを買って改札をくぐると、駅員さんに呼び止められた。「これを持って行きなさい」・・・と、全列車の各駅停車時間が書かれた時刻表を下さった。おぉ、これは市販の時刻表よりも断然便利。


新所原駅ホーム

 ホームに出ると、1両ぽっきりのレールバスが停車していた。乗り込むと、乗客はわずか10人。やはり厳しそうである。

 で10:54、発車。新所原を出ると、すぐさまカーブしてジャングル(のよーだ)へ突入。掘割で木々に覆われているため、いきなり秘境へ来た感じ。そこからはしばらく秘境を体験でき、まさにローカル線という楽しさがいっぱいである。


民家の庭先にそびえ立つ腕木式信号機

 列車は快調にとばし、西気賀(にしきが)駅に着くかといったところ、前方に腕木式信号機が視界に入る。ななななななななななにぃぃぃぃぃ〜、天浜線の腕木式はとうの昔に廃止になったはず・・・、で、よく見ると、沿線の民家の庭先に保存されているものらしい。


トロッコ列車「そよかぜ」

 そして列車は西気賀に到着。ここでも行き違いがあるが、相手は新登場したウワサのトロッコ列車「そよかぜ」である。よくあるトロッコ列車と違うのは、機関車が牽引するのではなく、気動車そのものがトロッコになっているところ。ぜひ乗りたいところだが、今回は諦める。見ると、満員御礼。乗客いた、よかったねぇ〜(しみじみ)。


 トロッコ列車と別れ、列車は快走。
 行き違いのため、何分かの停車を繰り返しながらゆっくり進む。途中、金指(かなさし)での行き違いのとき、ホームにスタンプが置いてあることに気が付いた。「おぉ、こりゃ押さねばっ!」、いつも携帯しているスタンプ用ノートに押そうとしたところ、運転士の方が「スタンプラリーやっとるがね」(注意:方便部分は勝手に作っています)と言い、台帳を下さった。しかも、設置12駅中8駅集めると「素敵な」景品がもらえるとのこと。これはチャレンジせねば!!
金指で行き違い
 で、この金指でめでたく1つ目GET。よく見れば、さきほど行き違いした三ヶ日にも知波田にもあったらしい。しまった、もっと早く気が付けば!!
 でもいいや、順番に集めていこう・・・。

スタンプコレクション


 で、次のスタンプ駅であるフルーツパーク、ここでは行き違いが無いため、すぐの発車となるが、さきほどの運転手さんが、「待っとったるから押してきんに」(注意:方便は作っています)と言って下さり、喜んで押しに行く。2つ目Get!

 次のスタンプ駅、宮口に到着。ここも行き違いがなくて停車時間はわずかだが、運転士さんがあらかじめ次にあるから、と教えてくれ、駅に着くとスタンプのある場所まで教えてくれた。
宮口駅
 宮口を出て、遠州鉄道との接続駅である西鹿島も過ぎ、二俣本町へ来るとはじめて市街地が現れる。二俣本町駅は片面ホームの小さな駅だが、意外と乗降客は多い。やはり本町だけはある。二俣本町を出ると、わずか数百メートルで次の駅である天竜二俣へ到着する。


天竜二俣駅、列車行き違い  タブレット時代の遺構

 天竜二俣駅は天浜線の中枢。本社と車両基地がある最大の駅。ホームは3面あるが島式の外側3線だけが使用されており、ホーム側の2線は撤去され、庭になっていた。駅舎も貫禄がある。
 駅前にはSL公園もあるが、線路脇には朽ち果てた車両もある。キハ20が天浜線を駆け抜けたのはいつの時代だろう。このままでは朽ち果ててしまいそうだが、なんとか整備をお願いしたいところ。
天竜二俣駅舎 遠江二俣バス停
 余談だが、天竜二俣駅は、国鉄時代は遠江二俣(とうとうみふたまた)といった。第三セクターになってから改称されたが、駅前のバス停は遠江二俣のままだ。長良川鉄道の二日町のような感じで、鉄道会社とバス会社の連携がとれていない。

 ここで4つ目のスタンプを無事げっと。長時間の停車を終え、天竜二俣駅を後にする。


 のどかな田園地帯を快走。敷地,遠江一宮,遠州森と順調にスタンプをGET、ゲット、月斗。運転士さん、ありがとう。ええ人や〜。

 楽しい楽しい旅も終わり、終点の掛川へ到着。新幹線の停車駅だが、素朴でいい感じの駅である。
 掛川でスタンプを月斗し、スタンプは規定の8コが揃ったが、すでに開催期間が長いため、掛川には景品が残っていないとのこと。三ヶ日駅にはまだあるということをわざわざ電話で確認して下さり、こんどは三ヶ日を目指して再び天浜線Go!である。
 親切な運転士さんが運転する列車は次の次、これでは三ヶ日駅の営業時間に間に合わないかもしれないので、ここでお礼を言って別れ、すぐ次の列車に乗る。
掛川到着 掛川茶な車体
 こんどの運転士は丸刈りの恐そうなあんちゃんであった。客が降りるときも、「よし、通れ」といわんばかりでおっかねぇな〜。
 で、行き違いで長時間停車する遠州森に到着、行きのときの要領で写真を撮ろうと思ってホームへ降りたら「勝手に降りるんじゃねぇ!」と激しい罵声が・・・「フリーきっぷなんだから降りてもいいだろ」とツッこもうと思ったが、その場はおとなしく引き下がる(写真なんか撮ってたら置いて行かれそうだ)。さきほどのフレンドリーな運転士とは正反対である。う〜む。
 三ヶ日に着く前に、取りこぼしたスタンプ駅の気賀がある。さきほどの要領で押そうと思っていたが、そんなことを言ったら「待つわけないだろ、降りろ」と言われそうである。


 そんな感じで小さくなりながら、列車はへろへろと天竜二俣駅へ到着。こんどは停車時間が短い。
 すると、運転士があんちゃんから気のよさそうなおっちゃんに交代した。
 お?よっしゃ・・・と思って、気賀駅でスタンプを押したいと言ったら、快く応じて下さった。
 列車は生き返ったかのように快調に走り出す。

 途中で再びトロッコ列車と行き違い、午後のまどろみの中を軽快に走る。

 問題の気賀駅で無事スタンプをゲット、9コ目。規定では8コでいいが、12コあるというのであれば、12コ集めなければ当然ダメダメである。

 列車は木々に囲まれたところや、浜名湖すれすれのところを通る。森と湖の鉄道である。


三ヶ日駅 2面3線のホーム
 そして三ヶ日に到着。ホームは2面3線で行き違いが可能。島式ホームの外側の3番線は新所原方面からの区間列車が折り返すときに使うらしく、新所原方面の半分だけが輝いており、掛川方面はさび付いていた。
年期物のベンチ あまりにもすばらしすぎ
 島式ホームのベンチは気合いが入っている。かなりの年季ものだ。いいねぇ、この情景は、30年前でも同じであっただろう。いつまでも活躍してもらいたいところだ。
錆び付いた側線 掛川方の線路配線
 片面ホームの掛川寄りには側線があるが、使われていないようだ。
 駅舎は国鉄時代からの木造でいい感じ。古き佳き時代である。ここで無事、10コ目のスタンプをゲット。そして、景品の「天竜浜名湖鉄道特製マグカップ」もGET。ついでに硬券入場券も月斗。
三ヶ日駅舎 レトロな駅票
 三ヶ日といえばみかんが有名だが、特にそんな感じはせず、駅前にも店がある小型都市の駅・・・という感じ。駅にはレンタサイクルもあり、時間があれば散策するのもいいかもしれない。
ホームにある「天浜線趣味の会」 手作りの日よけ装備でやって来た新所原行き
 そうこうしているうちに次の列車が到着。列車交換駅なので、上下列車が同時に到着する。
 新所原行きの列車に乗り、次のスタンプ駅である知波田(ちばた)を目指す。


知波田駅票 相対式ホーム
 知波田に到着。ここも交換駅でホームは相対式。駅舎は真新しく、歯科医院が併設されている(いや、歯科医院に駅が併設されているといった方が適切かも?)。駅前は閑散としておりローカル色が濃い。特にこれといったものはなく、ホントに「なにもない駅」と表現するのが似合っている。
掛川方面 新所原方面
 掛川方面には側線があるが使われていないよう・・・、新所原方面はのどかな雰囲気だ。
歯医者併設の駅舎 無人の駅舎内部 頭の悪いヤツらの仕業で無惨な状態
 無事に11コ目のスタンプをゲットはしたものの、無人駅に設置されているスタンプ周辺は無惨な状態に・・・。あまり頭のよろしくない方々がご利用になっている駅らしい。
やってきた掛川行き
 さて、次の列車がやってくる。ここも交換駅なので上下列車が同時にやってくる。新所原方面の列車で帰路に就くのもいいが、あえて逆方面に乗る。
 せっかくここまで来たんだから、西鹿島で接続している遠州鉄道に乗るしかないでしょう。


西鹿島到着 走り去る

 遠州鉄道(えんしゅうてつどう)。JR浜松駅近くの新浜松から、天浜線に接続する西鹿島を結ぶ私鉄。単線だが電化されており、列車の本数も多い。
構内 改札
 遠州鉄道はずっと市街地を通る。国鉄上がりの天浜線と違い、やはり根っからの私鉄。線路が民家の裏庭のようなところを通っていたり、駅が住宅に混ざって建っていたり、とにかく下町な感じが色濃くて別な意味でいい感じ。


 そうこうしているうちに、あっという間に新浜松。JR浜松まではしばらく歩く。
 ここからは再び18きっぷ始動で、東海道線を下る。やってきたのは117系。個人的に好きな車両である。木目がいいねぇ。
スタンプ12コゲット完了 戦利品
 で、新所原で再び降りる。そう、ラストである12コ目のスタンプをゲットするためだ。
 みごと、スタンプは12コ揃った。
 駅を適当に回ってぷらぷらするだけの予定が、意外な楽しみが加わった。良い1日であった。しかし、「ここはぜひ降りたい」という駅に降りられなかったため、いつかまた天浜線を訪れ、それらの駅に降りよう。

 萌鉄2000パート6へ続く。


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