萌鉄2000 パート6
「追憶の越後鹿渡駅〜JR飯山線〜」
夏のとある金曜日、仕事の関係で東京に来ていた。これはもう、18きっぷ始動しかないでしょう。
そんな感じで前日に熊谷まで移動。高崎線の始発列車に乗ってGo!である。
とはいえ、特にこのへんは書くことがない。そんな感じで上越線を下り、越後湯沢に到着。100円の特急券で乗れる新幹線(〜ガーラ湯沢)はシーズンの狭間でお休み。またおあづけ。
ここからは北越急行への直通列車に乗る。越後湯沢の北越急行線ホームには青春18きっぷでは乗れませんと書いてあるが、越後湯沢〜六日町間はJR線を走るので当然乗れる。
そんな感じで真新しい電車でGo!。・・・と言う間もなく六日町到着。ここからは18きっぷを寝かせて、ほくほく線へ入る。
北越急行ほくほく線。国鉄北越北線として建設されていたが、完成する前に国鉄が解体。その後、第三セクター化されて工事再開。みごと開業した。上越線の六日町と信越本線の犀潟を結び、途中の十日町で飯山線と接続する。
新幹線から越後湯沢乗り換えで金沢方面を結ぶ特急「はくたか」が走り抜ける高速鉄道路線である。
・・・が、今回は普通列車。六日町を出ると、ほんとにもぅ、トンネルばかりである。あまり風景が楽しめない。とはいえ、トンネルの中に行き違い設備があったりと、それなりに見所は満載なのだが・・・、やっは見晴らしの良い高架に出たと思ったら、もう十日町である。ここで飯山線に乗り換える。
飯山線(いいやません)。上越線の越後川口と信越本線の豊野を結ぶローカル線。列車は主に越後川口〜長野間の運行となっているが、本数が少ないわりには区間列車が多い。 今回はそのあいだの十日町に来てしまっている。ここから長野方面へ行ってしまっては越後川口〜十日町間が未踏になってしまう。しかし、次の列車は3時間以上無い。すばらしい。
というわけで、47分で接続している(接続していると言うのか?!)長野方面の戸狩野沢温泉行きに乗る。JR東日本が誇る新型ローカル列車、キハ110形。この列車、途中の森宮野原で越後川口行きと行き違いする。そうすると、それまでの間の駅で一度だけ降りることができる。さて、どの駅にするか、とても楽しみである。その中の津南は、駅が温泉になっているという・・・そこもいいかな?という感じで列車は走り出す。
最初の土市(どいち)は素朴でいい感じ。広い構内には貨物施設の残骸と思われるものがあり、かなり鉄心を誘うが、利用客が多かったのでやめる。越後水沢、越後田沢と小さな駅が来るが、いまいちパッとしない。
で、次の越後鹿渡(しかわたり)へ到着する時にハッとした。あきらかに交換可能な島式ホームの片側だけに線路が残り、その向こうには木造のオンボロ駅舎が目に入った。ここだ、ここしかない!!そう思うやいなや、18きっぷ片手に列車を躍り降りた。こんなわけわからない駅で18きっパーが降りていくのはさぞ不思議だったに違いない。
すばらしい。線路はY字型のポイントがあったままのカーブ具合で片方だけ残り、駅舎側にはホームに面した線路以外にも側線があったのだろう。かなり広い。
駅舎は開業当時からと思われる木造のオンボロ(注:誉め言葉)。いいねぇ、やっぱ駅舎はこうでなきゃ。当然無人駅だが、かつては駅員さんがいて切符も売っていただろう。しかし、無人化された今、待合室部分は地元の方によってきれいに清掃されているが、駅舎内部はかなり荒れていた。
次の列車まで45分ある。何もない駅で過ごすこの待ち時間が心地よい。全てを超越した神々しい気分である。
そんな感じで優雅な時間も過ぎ、列車がやって来た。栄光の越後鹿渡駅を後にし、さっき来た線路を戻る。乗客はそこそこ、2両編成で座席が全て埋まるくらい。
そして無事に十日町も過ぎ、列車は越後川口へと向かう。このあたりは街でもなく、田舎でもなく、郊外の片田舎(どんなや)な感じのところをひた走る。
列車は越後川口に着くが、8分で折り返し。こんどは長野行きになる。
列車は越後川口を後にし、片田舎を走り、十日町を過ぎ、やっぱり良い土市を過ぎ、さきほどの越後鹿渡に到着。さきほどまでそこにいたのだが、列車の中から見るとすでに現実の風景ではなく、スクリーンに映し出された思い出の駅という感じがする。再びこの駅に降り立つことはあるのだろうか。そうもの思いに耽る間もなく、列車は無情にも走り出す。
列車は快調に走り、交換可能駅である森宮野原のいっこ手前、足滝に到着。ここがこれまたすばらしい駅の予感。駅の左側は川、右側は山というとんでもない立地条件で、駅へ続く道は獣道というすばらしさ(列車の中からはそう見えたけど、実際は違うかもしれない)。むぅ、ここは降りてみたい!!と思ったが、ここで降りると帰れなくなるので泣く泣く我慢。いつか絶対に降りてやる!
で、森宮野原で行き違いもあっという間。ここからの風景がこれまたすばらしい。ぜひとも進行方向左側(長野行きの場合)に座ってじっくり鑑賞していただきたい。飯山線ばんさーい。
で、戸狩野沢温泉に到着。ここで25分の停車。なんとものんびりしている。長野方面からやってきた戸狩野沢温泉終着の列車がやってきて、そいつがそのまま連結。ここからは4両編成になって長野を目指す。
ここからは列車の本数も多く、長野への通勤通学圏内に入るのか、にぎやかな駅が多い。ローカル色はかなり薄まる。
そうこうしているうちに豊野。ここからは信越本線に乗り入れて長野へ向かう。
長野着。すぐさま松本行きに乗り換える。
で、すぐさま松本。ここからは中津川行きに乗り換える。車両はJR東海の313系が待っていた。まだJR東日本管内だが、帰ってきたなぁ、という感じがする。
ここからはいつも通り、篠ノ井線〜中央線で名古屋へ。楽しい旅は終わった。
飯山線もかなり近代化が進んではいるが、まだまだ古き佳き時代のかほりはぷんぷんである。哀愁のオンボロ駅舎もいたるところで現役。極めるに値する路線である。
萌鉄2000パート7へ続く。
戻る
萌鉄メニューへ戻る
トップページへ戻る